なぜ捨てない?ゴミ屋敷住民の考え方と対処法
最終更新日:2023年4月17日
なぜゴミ屋敷の人はゴミが捨てられないのか知りたい方へ
●自分、又は身近にゴミ屋敷の人物がいてなぜゴミを捨てないのか興味があって調べている
●ゴミ屋敷になる人の心理状態や対策方法が知りたい。
●ゴミ屋敷にならない為にはどうしたらいいか知りたい。
こんな事に興味をお持ちですか?
こちらのページでは『ゴミ屋敷の人はなぜ捨てないのか?』の事について着目しながら、当社の過去の実績と経験に基づき、私の独自の理論と答えで解説していきます。
この記事を書いているのは不用品回収オラフグループの経営者です。この業界に勤務して13年以上の中で地域やお客様を問わず、物干し竿の捨て方への相談にも数えきれないほど応えてきました。
よくあるご質問や私の経験・知識から役立つ情報を惜しみなく紹介していきます。
ゴミ屋敷の人はなぜゴミを捨てないのか
近年増加中のゴミ屋敷。増加の背景には様々な理由があり、とても難しい問題です。当社では1000件以上ゴミ屋敷の案件を対応してきましたが、未だに根本的な原因の解明には至っておりません。しかし、少しづつではありますが分かってくることもあります。こちらでは、ゴミ屋敷の住民は『なぜゴミを捨てないのか?』こちらに注目して深掘りしながら解説していきます。
そもそもゴミと思ってない
なぜゴミを捨てないのか、以前の問題にそもそも本人がゴミだと思っていない場合があります。
誰が見てもゴミだと思う物でも本人が思っていないケースがあります。そもそも論ですが、ゴミを捨てるとゆう行為は誰もが共通して認識しています。
それはゴミ屋敷の住人でも同じです。ではなぜ捨てないのか?簡単ですね。ゴミじゃないからです。捨てる、捨てない、の前に本人の感覚的にゴミじゃないんです。
以前こんな事がありました。
ゴミ屋敷の片付けのお見積りの依頼を受けてお伺いした時の事。現地へ到着すると3名の方がいらっしゃいました。お母様と娘様2人です。
お伺いした時点で既に口論となっていて、『なんで捨てない』『ゴミだらけ』『どうするの?』とゆう娘様の問いに対してお母様は『全部必要な物』『使えるから取ってある』と真向に反論していて押し問答の状態です。
賞味期限が長期間切れている食品にも『いつか食べるかも』とゆう答えを出していました。
この様に、ゴミを捨てないのではなく、ゴミじゃないと思う感覚で物を溜め込むケースは非常に多いです。
●『必要な物』として扱う事
●コミュニケーションをとろう!
いつか使える意識が強い
本人は溜め込んだ物やゴミを、いつか何かに使えると思っているケースがあります。
ゴミとする定義は人それぞれですが、ゴミ屋敷状態になる方のゴミへの定義は皆無に近いです。
『じゃあ何がゴミなの?』と聞きたくなるくらい全てが必要な物に分類されてしまいます。高齢者の方に多いのが『いつか使える』意識です。
破れかけの紙袋、ビニール袋、中古の電池、大量の洋服、古い座布団や布団、大量の文房具、裁縫用品、このような物を何十年も所有し、多少破けても汚れてもまだまだ使えると思い捨てない判断をしてしまいます。
大掛かりな断捨離(ゴミ屋敷)清掃の際にこんな事がありました。
片付けの際に住人(ご本人)も立会いをしながら必要な物を見たいとゆうご希望でしたので、一緒に確認をしながらお片付けを進めて行った時の事。
もう数十年は日の光を浴びてないであろう場所から沢山の洋服や食器が出て来ました。ご本人の判断はもちろん『必要な物』。
理由はまだまだ使えるから。依頼者様は息子様でしたが『何十年も出してないんだから使わない』と説明しても首を縦に振って貰えることはありませんでした。
このように、『いつか使える』『まだまだ使える』と必要な物に分類して物が溢れてしまうゴミ屋敷も少なくありません。
●ゴミの定義は人それぞれです。片付けなきゃいけないと焦らず、何に対して必要だと思っていて、何の為に残しておきたいのかしっかりと話し合いましょう。
戦後間もない物がない時代を経験している
戦後間もない物がない時代を経験された方は、物を大切にしすぎて物で溢れかえってしまうケースがあります。
2020年現在、団塊の世代以上の方は高齢者となりますが、その大半の方が幼少期に戦後間もない『物がない時代』を経験されております。
その辛さ、苦しさ、我慢は計り知れない事だったと思います。物がない時代とは、言葉の通り全ての物が足りない事を指します。
生活に必要な食器、毎日着る洋服、生活用品、食料品までもが不足していました。
毎日を食べていくのが精一杯の時代では、現代でゴミに区分されてしまう物の中に沢山の必要な物が存在しています。バックも買えない時代では破れかけの紙袋でも貴重な物だったのです。
何を隠そう、私の両親も戦後間もない物がない時代を経験した人でした。
私の実家も物で溢れかえっていました。人によってはゴミ屋敷と呼べる状態です。
私が小学校時代に使っていた水筒や弁当箱、同じく兄弟の物、未開封の贈答品の山、雑貨で満タンの色々な収納、大量の食器類、古い書籍や紙類、大量のタオルや古い洋服、トラックで言うと2トン車10台分ぐらいありました。
私の意志で片付けようと提案すると、『まだ使えるから捨てないで』『それは大切だから取っておく』と嫌がります。こうなると中々大掛かりな片付けは難しくなっていく事を私自身も身をもって経験しています。
●ゴミだと決めつけない
●本人の過去も汲んであげよう
ゴミ屋敷住民への対処の仕方
言っても捨ててくれない。捨てようとすると嫌がる。業者を頼もうとしても嫌がる。こんな状況で相談を頂く事も珍しくありません。そして強引なお片付けはトラブルを生む為、正直オススメしません。ではどうしたらいいのか?こちらでは、ゴミ屋敷住民への接し方や対処の仕方のコツを深掘りして解説していきます。
ゴミじゃない事を理解してあげる
まず、ゴミ屋敷と決めつけ捨てる事だけを提案せずに、ゴミじゃない必要な物だとゆう事を理解してあげる事から始めてください。
理由として、最終的に片付けを完了する為には、少しずつでも前に進むしかありません。
その中で、『必要な物』と『ゴミ』で意見が分かれていると話し合いにすらなりません。仮に強引に進める事も可能ですが、自分の近しい方と言い合いしながら進めて行くのはあまり気持ちのいい事ではないでしょう。
その為には、まずは相手の意見を尊重し、ゴミと決めつけず本人の大切な物を大切に片付ける意識をこちら側から持つことが必要となります。
この歩み寄る意識を持ち、話し合いを進めるだけで円滑に片付けを出来た具体例は数多く存在します。
100人中99人が『ゴミ』と判断している物でも、本人が大切な物としていればそれは大切な物、とゆう事を理解してあげましょう。
その気持ちや発言があると、今まで話し合いにすらならなかった相手も、心を開いてくれる事もあります。
リサイクルとゆう考え方を説明する
ゴミとして捨てる事だけではなく、リサイクルをしていく方法と考え方を検討してください。
仮にこの記事を読んでいるあなたが『大切にしている物』があったとします。それを、捨てられてしまうのとリサイクルして貰うのではどちらが嬉しいですか?
多くは後者かと思います。ゴミ屋敷の住民の本人は大半の場合それらをゴミとは思っていません。必要な物や大切な物です。
それらを簡単に『捨てる』のではなく、リサイクルしていく、大切にしてくれる誰かに使って貰う、そんな方法で片付けていく事も検討しましょう。
リサイクルを行い、極力捨てないで誰かに寄付したり差し上げて使って貰う。この方法を大変喜ぶ方は実は沢山いらっしゃいます。
これまで頑なに首を縦に振ってくれなかった事が嘘のように、ご自身で率先してお片付けを手伝ってくださる方もいるほどです。
それではここからは、リサイクルをしていくのはどうやってやるの?とゆうシンプルな疑問についてお答えしていきたいと思います。
大きく分けて、自分でやるか、業者に頼むかでリサイクルを出来る方法も変わってきます。
あくまで当社のリサイクル方法となりますが、以下に自分で行う場合と業者で行う場合で一覧表にしてみました。興味のある方は参考にして下さい。
●ジモティーで貰い手探し
●ネットフリマに出品
●オークションへ出品
●海外貿易リサイクル
●買取り
●リメイク家具・着物
●資源物のリサイクル
●ボランティア寄付活動
●貧民国への輸出寄付
などなど
業者がお片付けを行う場合には、デメリットは費用のみです。時間やリサイクルの種類、買取りなどメリットは沢山あります。
以下に参考として、ゴミ屋敷清掃の事例と料金へのリンクを貼っておきます。興味のある方はご覧ください。
否定せず、肯定してあげる事が大事
ここまででお分かりいただけた通り、まずはゴミ屋敷を何とかしよう!とゆう前にゴミ屋敷の状態を理解してあげる事から始めていく事をオススメします。
理由は上記でも複数述べておりますが、まとめて言うと『本人にとってはゴミじゃない』からです。
大半の場合でこのケースは適用されます。仮にある程度分かっていたとしても、過去の自分を否定してしまう事になる為、中々認めづらい心境も理解してあげてください。
そのように、まずは本人の事を理解し、肯定し、本当の意味で味方になってあげる事がお片付けを進める第一歩となります。
そうする事で、円滑に進んだ具体例は非常に多いです。全体の半数は理解を得る事が出来たイメージです。
ゴミ屋敷を何とかしなきゃ!何でゴミを捨てないんだ!とゆう感情も理解出来ますが、まずは『何でこうなってしまったのだろう』とゆう優しい気持ちで接してあげてください。
その先にきっと答えは見つかると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
業界にそれなりの規模で長くいるといいことも悪いこともたくさん見えてきます。
そんな大変な時にこの記事を読んで参考にして頂ければと思い執筆いたしました。ご活用頂けますと幸いです。